光照寺のおはなし
竜王町林に所在する「恵日山 光照寺」は、真宗大谷派に属する東本願寺の末寺で、門徒が大切に守り続けてきた田舎のお寺です。
光照寺の歴史については、竜王町史(昭和62年発行)に次のような記載があります。「近江八幡市倉橋部町西耀寺文書によると、『同寺院第七代照光法師、永久五年(1117、平安時代後期)林村川部道場を兼務』と記録されているがこの寺の前身のことか」とあります。当時の光照寺は、由緒ある西耀寺の出張所のような存在だったのかも知れません。
さらに、平成年間の本堂再建時に旧御本尊を鑑定していただいたところ、作風から平安期のものと判定されました。光照寺は900年もの時を経てきたと言え、その重みを改めて認識する次第です。
また、「寺伝によれば大永元年(1521、戦国時代中半)住僧了願上人によって中興されたと伝えている。また社寺明細帳(明治41年)によると当寺院は往時日野川近くの小字正法寺に所在していたが、再三の水害により堂宇の破損甚だしく、元文年中(1736~1740、江戸時代中期)僧智俊上人の時、現在地に移築されたと報じている」と。
近代では、門徒二代に渡る並々ならぬ浄財の寄進による本堂の再建。平成19年の落成とご本尊の新調を無事終え、その後、十年あまり代務住職の時代を経て、令和元年には若い新住職を迎え入れることができました。若く未来志向の新住職と門徒の皆で、新しい時代に応じた寺の有りようを考え、「心の拠り所となる寺」をめざして、光照寺の挑戦は続きます。
(2022.9 記)